年金不安
いま、多くの方、特に30代から50代の年齢層は「年金不安」抱かれていると思います。もう10年以上前からこの年金不安は囁かれていましたが、2019年の財政検証前に金融庁から発表された報告書「老後2,000万円問題」で特に意識が高まってきました。今回はその「年金不安」について少しだけ触れてみようと思います。
ところで、この年金の不安?皆さんは年金の何が不安ですか?「年金だけで老後はやっていけるのか」「将来の受給年金額が減るのでは」「もしかすると将来公的年金が破綻するかも」・・色々あると思いますが、概ねその不安予想は将来的中するのではないかと思います。ただ、年金破綻は恐らくしないでしょう。今の賦課制度が続く限りは。
賦課方式
現在の公的年金制度は賦課方式ですよね。毎月お給料から天引きされている保険料、これは全て自分たちの将来への積み立てをしてくれているわけではなく、簡単に言うと毎月保険料の大半はその都度、年金受給者の方達にそのまま支払われているような感じです。つまり毎月、年金受給者の方達に「仕送り」をしているようなイメージです。
そして自分たちも年金受給者となり同じように現役世代から仕送りを受けるようになるわけです。よく言われる騎馬戦から肩車になろうとしています。
所得代替率
所得代替率とは「あるモデルケースを基に年金受給年齢65歳時点において、その時の男子現役世代の平均手取収入額の比較割合を示す指標」です。厚生省労働省による2019年の所得代替率をみると、ⅠからⅥまでの予想ケースのうちケースⅢを見ると、2019年度時点が61.7%です。
今現在から約25年後の2046年では51.9%となっています。(物価上昇率や人口動態など[マクロ経済スライド]によって変わる)ケースⅤ、Ⅵの場合には2043年時点で50%となっています。この数値はあくまで将来予想ですので、全ての方に当てはまるわけではないと思いますが、鵜呑みにしておいても悪くはないと思います。
今できることを始めよう
このように「国」からも、「もうあんまり、あてにするなよ」と言っているわけです。ということで結局は「自助努力」が必要ということになります。
でも自助努力・・好きな方はあまりいないと思います。それにコツコツ努力する、しかも長期に渡って・・
ご存知の方も多いと思いますが、パーキンソン(イギリスの歴史・経済学者)の第一の法則に「仕事の量は与えられた時間をいっぱいまで使ってしまう」といっています。これ当たってる方多いと思います。年金と考えると先は長いので、「そのうち」「いつかは」「なんとかなる」・・つい考えてしまいます。楽観的思考も大事ではありますが、時は皆に平等ですので時間が経つほど緊急度は上がっていくわけですから、不安も解消し難いですよね。ちなみに第二の法則に「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」と言ってくれています。
いま、自分にできるシンプルな仕組みをつくりましょう。目的を持って何かのシンプルな仕組みを作り、習慣化をする、作ったあとは基本頓着しない!一気に年金不安の解消とはなりませんが、少しずつ解消に向かうはずです。
2019年の老後2,000万円問題で年金不安の意識が高くなりましたが、来たる2025年問題には今の不安がリアル化していく年になるかもしれません。少しでもゆとりある将来にするためにも今からできることを始めましょう。